中心静脈カテーテルの種類とその違い1(体験談)

※今回の内容は、医療的なことを含みますが、私が医師に聞いたり、
 自分で調べたりした内容と実際に息子の様子を見て、感じたことを書いています。
 あくまでも素人が書いた内容である旨、ご留意のうえ、参考程度にお読みいただけたらと思います。

【中心静脈カテーテル】の記事にも書きましたが、
小児で使用されるCVカテーテルには主に「埋込式(ブロビアック)」と
「PICC(グローション)」とがあります。
CVカテーテルについては、こちらのサイトが非常に分かりやすかったので、
ご興味ある方は見てみてください。

息子は治療開始時は埋込式でしたが、途中でPICCに変わりました。
両方使った経験から、その違いを体感しているので、
今回はCVカテーテルの埋め込み式とPICCの違いについて書いてみようと思います。

まずは医療的な側面から考えるメリットとデメリットです。 

メリットデメリット
埋込式​
(ブロビアック)​
 感染のリスクが低い​ 留置のためには手術が必要​(全身麻酔)
 抜けにくい​ 詰まりやすい​
 小さい子どもでも留置できる​-​
PICC​
(グローション)​
 詰まりにくい​ 小さい子どもには留置できない​
 処置室で留置できる​(鎮静で済む) 抜けやすい​
-​ 感染しやすい​

埋込式(ブロビアック)は、1か月くらいで皮下組織に癒着するので、しっかり固定され、
抜ける事故は起こりにくいそうです。
一方でPICC(グローション)では、子どもの力で引っ張っても抜けてしまうらしく、
注意が必要です。

感染のしやすさの点でも、PICC(グローション)の方がそのリスクが高いですが、
簡単に抜くことができるので、感染したら抜いてしまえばいい、とのことでした。

詰まりやすさでは、PICCの方に分があります。
というのも、PICCには弁逆流防止弁がついているため、血液が管に入り込んで、
詰まってしまうということが起こりにくいからだそうです。
埋込式は、その弁がないので、どうしても詰まりやすくなってしまうようです。
息子も詰まってしまって、埋込式が使えなくなり、抜管した際には、かなりの長さの
ドロっとした血が出てきた、とのことでした。

埋込式とPICCの大きな違いとしては、設置方法があります。
埋込式は全身麻酔をして手術をしなければなりませんが、
PICCであれば、鎮静剤で眠らせるだけで済みます。
(全身麻酔と鎮静、どちらも「眠らせる」ということで、
治療を始めるまではその違いを私は理解していませんでしたが、
今ではこれは重大な違いだと認識しています)

この点から、息子が入院していた子ども病院では、PICCを設置できる年齢であれば、
埋込式ではなくPICCを使うことが多いようでした。
あまりに低月齢だと、腕の血管は細すぎて設置できないので
1歳1か月頃にPICCを入れる話が出た際にも
「PICCが設置できる可能性は確率は50%」との説明もありました。
無事に設置できた際は、本当に安堵しました。

実際に、埋込式カテーテルからPICCに変更になって、日常生活を送るようになると、
様々な面でPICCの利点を感じるようになりました。
そのことについては、次の記事で書こうと思います。

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